リリーと私  デイ大石 :  鈴木久江

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この記事は、横浜断酒新生会機関誌「かたらい」・No42より、同会および筆者の同意を得て転載するものです。
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「かたらい」No42より 
リリーと私 : 神奈川支部 / 鈴木久江
 
この写真のワンちゃんは、我が家の三男で名前を鈴木リリーと言います。年齢は19歳で、ワンちゃんの長寿番付があれば、もうそれに格付けされている筈の年齢です。
  リリーがオギャーじゃなくてワンギャー?と生まれて我が家に来た時、白い毛糸玉のように丸 くなってスヤスヤと眠っていた可愛らしい姿が今も瞼(まぶた)に残っています。
以来、今日までリリーは居なくてはならない、文字通りの我が家の一員としての年月を過ごして来ました。私が外出先から家の近くまで戻ると、家族と散歩に出ていたリリーが50メートル先から私を見つけて一直線に駆け寄って来て私に抱き上げられるのです。又、横浜国際プールへの往復1時間の散歩コースを覚えて、先に立って歩き、時々振り返って私のほうを仰ぎ見る仕草に賢さとあどけなさを感じます。
そんなリリーは私のアルコール治療にも立派に役割を果たしてくれています。子供達が独立し、夫が7年前に胃癌で亡くなって、今私はリリーと 「二人暮らし」の身です。そんな私が万が一にもスリップしてそのまま入院したり施設暮らしになったらリリーは一体どうなるの? そう思うと、一杯のグラスや盃に重い鉄の蓋がされてしまうのです。だから、もしリリーが居なかったら私の断酒も今日まで続かなかったかも?と、そんな気さえするのです。
しかし、リリーも長寿番付の身で、そう思えば思うほど、やがてやって来るXデーもしっかりと心に受け容れる準備をしておかねばならないと思います。心にポッカリと空くであろう穴をどうやって埋め、どうやって断酒を続けて行けば良いのか?今から心の準備をしておきたいと思います。
「どうやって?」の答え、それはやはり、自助グループ=断酒会だと思います。その意味で、断酒会の仲間の皆さん、これからも宜しくお願い致します。
左:赤ちゃんリリー
右:青年リリー / 横浜国際プール前(都筑区)にて
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