断酒の心 : 大石CL リカバリー職員 鈴木達也

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 左の写真は自宅近くの中学校の正門脇に立てられている2本の立看板です。通勤のバス停の前なので直ぐに目に入る場所なのですが、この立看が目に入った瞬間、「え?、どうして此処に断酒のスローガンが ! ? ! ? !!」と、思わず 「ウーン !!」と、唸ってしまいました。勿論、断酒を意識したものではないのは頭の一方で理解しながらも、他方では、内容的に断酒スローガンと言っても決して過言ではない立看に思わず唸ってしまったわけです。。
1):「断れない、友達だからと言わないで」
2):「仲間がいる、ただそれだけでホッとする・・・」
 1):断酒継続中の依存症者の場合、どんなに親しい仲間、友人からであろうと、飲酒の勧めに対しては何らかの形でキッパリと断らねばなりません。それでも 「俺の盃を・・・」と言う相手とは縁を切るというのが断酒継続の原則と言うか、命と健康、生活を守る為の鉄則と言っても良いでしょう。正に中学生のスローガンが言う通り、酒の絡んだ友人関係よりも断酒を優先させ、新しい飲まない交友関係を築いて行くのが断酒の道と言って良いでしょう。
 2):仲間がいるだけでホッとする。これは、酒を断ちたいとの思いを持って自助グループや専門医療機関のミーテイングに参加した人であれば誰もが肌身で実感している事だと思います。断酒仲間から貰うホッとする想いが断酒のストレスを解消、又は軽減して断酒の力に繋がります。
 この2本のスローガンが、断酒を意識して述べられた物ではないところに大きな意味があると思います。即ち、「断る勇気」、「仲間との連帯、絆の重要性」というのは断酒業界に限らず、社会生活一般に共通する普遍的真理である事を中学生の生活スローガンが教えてくれているように思うのです。普遍的な力を持つが故に断酒道にも有効だと思うのです。 
 立看の左端の行に 「港北区社会を明るくする運動実施委員会」と書かれていますが、中学生のこの生活スローガンは、断酒業界をも明るく照らすのではと思い、二人の女子中学生への感謝の想いも込めてこの投稿文を書きました。
 注):この投稿文は、横浜市立日吉台中学校、及び、二人の生徒様(萩原美沙子さん、朝枝結衣さん)の許可を得て掲載」しました。