母のミシン刺繍 (依存症家族の話)

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「母のミシン刺繍」 
   大石CLリカバリー職員(AL症本人):鈴木達也
  上の写真は、母(87歳)のミシン刺繍作品です。母は毎年の暮になると、趣味と実益を兼ねて翌年の干支を旧式の足踏みミシンで刺繍しています。今年(平成23年)の暮も来年の干支「辰」を刺繍して送って来ました。
  16年前、飲酒が原因で失業し、妻と別居し、実家で一日中酒を飲みながらの居候生活をしていた私を、母は必死の思いでの治療ルート探しの末にアルコール専門病院に繋げました。・・・そして、その後は、毎日私をアルコールデイケアと夜の自助グループに送り出した後、私の居ない家で、その道25年(当時)のミシン刺繍に打ち込んでいました。それが私との共依存の防止に役立ったのではないかと思います。私が断酒を継続して、自立可能な仕事に就くまでの1年半、母は就業の問題で私の気持ちを追いつめた事は一度もありませんでした。