体験談「断酒の喜び」 富山県彦

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自分は若い時から酒が好きで20代の初めから飲んでいました。底なしと言われるくらいよく飲みました。耐性ができたのかだんだん強い酒になっていきました。酔えば嬉しくて周りから大酒飲みと言われ得意になっていました。そんな酒好きの自分を妻は嫌がっていました。
でも大トラになるわけでもなく周りに迷惑をかけるわけでもないから好きな酒をしこたま飲んだっていいだろうくらいに考えていました。
やめる気になればいつでもやめられる、自分で自制できる、今はまだ飲んで楽しむ、という気持ちで酒が趣味のような自分でした。そういう生活を何十年も続けて50代半ばに仕事を引退しました。さあそこからが大変、時間があるので酒酒酒の毎日、妻に言わせると言動がおかしく感情の起伏が激しく、アル中じゃないの?としょっちゅう言われていました。でも意志と根性があればやめられるといって聞く耳を持たない状態でした。しかし家族と話し合ってちゃんと診察をしてもらおうと、大石クリニックに相談に行き自分なりに節酒、断酒を試みましたが、少しやめてはまた飲み連続、多量、問題飲酒となり、しまいにはブラックアウト、けいれん発作等をおこし、救急車で運ばれた病院で、あなたは今の生活を変えないと半年以内に死んじゃうよ!と言われ今度は真剣に大石先生に話し、先生の勧めとおりアルコール依存症専門の久里浜病院に入院させてもらいました。そこで依存症に関しての正確な知識を得たこと、同じ体験を持った仲間に会えたことが自分にとって良かったと思います。素直に自分がアルコール依存症であることを認めることができました。病気だから治療が必要なこと、完治はないが回復はあること、そのためには一生断酒で生活しなければならないことなどを学びました。でも自分から酒をとったら何の楽しみがあるのだろう?生きている喜びなんてないんじゃないか?と思いました。入院中に断酒会の院内例会等があり、生きた体験、回復の歓びの話などを聞き感動しました。久里浜は2か月半で退院でしたが、断酒継続するためには自助会が助けになること、例会に出席することの大切さを教えられ、今は断酒会の一員として学ばさせてもらっています。最初はもう酒はやめているから毎日例会にでなくてもいいんじゃないか?と考えたことがありました。しかしそうではありませんね、断酒会は酒を止めるための会だけど、ストレスにどうやったら強くなるかとか、断酒の喜び(歓び)を感じることがあるとかを教えてくれるんですね、ですから今は例会に出席することが楽しみになっています。断酒継続されている皆さんの穏やかで温かい雰囲気、例会全体の空気がとてもうれしく力になります。何よりも例会に出続けると自分もみなさんのように回復できるという希望と、一生断酒で喜びの生活ができるという自信がわいてきます。酒をやめたら何の楽しみも喜びもないんじゃないか!というのは間違っていたと思います。今はやめている自分に誇りが持てますし、素面で毎日過ごすことに充実感があります。身体やこころもよくなり、人生に夢や希望が持てて幸せです。生きる道は断酒のみ!と強いこころと覚悟を維持するため、断酒会につながり、例会に出席し続けたいです。最近は妻も一緒に例会に出席させてもらっています。幸せな回復の道のりを妻とともに歩んでいけることは喜びです。引き続き妻ともども例会で皆さんにお会いすることを楽しみにしたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。