院内研修「認知行動療法について」を聴いて 大石CLリカバリー職員:鈴木達也
- 2008.07.17
- 体験談-アルコール依存症 依存症体験談
去る7月10日、慈恵医科大学第三病院の館野歩先生をお招きしての、大石クリニック院内職員研修会が開催されました。研修テーマは「認知行動療法について」でした。このテーマについては以前に断酒会の講演会でも聴いた事があり、おぼろげの理解と何となくの興味をもっていましたが今回の館野先生の講演を聴いてもう一歩理解を深められたかなと思っています。特に、なぜ「認知と行動」なのか?について「ナルホド」の感を強くしました。人間はその置かれた状況の中で「認知(思考・イメージ)」、「気分・感情」、「行動」、「身体」がそれぞれ相互に作用しあっています。そして、その相互作用から病的悪循環が発生するとそこから中々抜け出せなくなります。この悪循環から脱しようとして、「気分・感情」や「身体」の変調を自分の意思だけでコントロールしようとしてもそれは出来ません。しかし「認知(思考・イメージ)」と「行動」は意志によって変えることが可能で、この可能性に立脚し悪循環を断つのが認知行動療法であると理解して上記の「ナルホド」と思ったわけです。
変化
阪東橋(大石CL近隣)の今昔
「えっ!!, これが同じ場所 ??」
左:1969年⇒右:2007年
阪東橋の景観が激変したように、アルコール依存症の治
療前と回復後でも人は生まれ変わったように変わります。
(大石クリニック・HP「交通アクセスページ」より)
※左の写真 : 武相高校鉄道研究同好会写真集より許可を得て転載
かつて平成7年7月まで、毎日・毎日(1年・365日×5年)一升酒を飲み続けていた私の「気分・感情」は朝から晩まで酒の虜(とりこ)になっていました。そして身体の余命はあと数年にまで縮まっていました。(当時の私の年齢は49歳で、飲み続けたアルコール依存症者の平均死亡年齢が52歳と断酒後に聞いてそう思ったわけです)
残り数年だった筈の命が断酒によって今現在13年に延び、なおも健康な日常生活を続けている今日にして思うに、酒に対する認知の仕方を健常者型から依存症者型に変え、断酒の為の行動転換=酒飲み生活から専門治療・自助グループ生活への転換をする事が如何に大事かを痛感しています。今回の院内研修と自分の体験を固く結んで、それを今後の断酒継続の糧とすると共に、大石クリニックでの仕事や断酒会での酒害相談活動にも役立てて行きたいと思っています。
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