Eさんからの手紙

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Eさんからの手紙

拝啓
 大石クリニック院長先生。
私は○○刑務所に入所しているEと申します。私は性犯罪を犯し去年11月16日に懲役2年10ヶ月を言い渡され、次の移送を待っている状況です。希望として精神治療を受けられる所をと職員の方に言ってはおります。
 同じ失敗を繰り返してしまうのではないかと不安に思っていて、どうして良いか分からず、弁護士の方に入れてもらったホームページのコピーを頼りに今回お手紙を出した次第です。文通を通して精神治療の他、不安な事や疑問にも答えて頂けると助かります。
 そのためには、証明資料として医院のパンフレットと、運転免許証のコピー又は住民票の原本を返信と共に送って頂けないでしょうか。それを提出すれば文通が可能となりますが、移送されればもう一度お願いする事があるかも知れません。その時はご容赦下さい。
 私は、この病気を本気で治したいと思っております。何卒よろしくお願い致します。
                     敬具
             平成24年3月24日  E
↓返書

Date: 2012/05/30/15:03:38 No.754

Re:収監者との文通

Eさんへの返書

大石クリニックHPトップページ
及び 当掲示板No.555 参照

E様
前略
 はじめまして。私、大石クリニックにて収監者の方々との文通を担当しております相談員の鈴木達也と申します。以後よろしくお願いします。
 この度はお手紙を頂き有り難うございます。早速拝読させて頂きました。ご自分の犯した犯罪の原因に性依存症(正式名称「性嗜好障害」)を疑われ、それを本気で治療したいとの思いでのお手紙だと思います。
 さて、この依存症という病気ですが、自分ではなかなか気づき難く、また気づきかけても、「本当に自分が○○依存症?、○○中毒?・・・まさか、そんなバカな!!」と言って認めようとしないのが特徴で、「否認の病気」とも言われています。ですから、自分の病気・依存症を認めて治療に繋がるまでに分厚い壁があると言ってよいでしょう。私のイメージで言えば、心底から病気を認めて、本気で治療を開始した時点で治療は半分終わっていると思えるくらいです。
 その意味で言えば、Eさんは既に治療を半分終えていると言っても良いのかも知れません。本当に、よく手紙を書かれましたね。ぜひ当院との文通を始めて、治療の後半へと第一歩を踏み出して頂きたく思います。治療を中断しない限り、必ず回復できる病気です。
 お手紙の中で、「・・精神治療の他、不安な事や疑問にも答えて頂けると助かります」と書かれていますが、微力ながらも私なりに出来る限りのお手伝いをさせて頂ければと思いますので宜しくお願いします。
 ご要望の文通に必要な証明資料(当院のパンフレットと私の住民票原本)はこの手紙に同封して刑務所宛に送らせて頂きますが、パンフレット(当院ホームページ1ページ目)の方ををEさん宛てにも同封します。
 既にご覧になった物かも知れませんが、その右上の手書きで○囲いした所に文通についての一文を掲載しております。そこにも書かれている様に、文通に並行して、当院ホームページ掲示板「あおいくまの部屋」にて文通内容の匿名公開を本人の了承を前提にして行っております。手紙が公開される事でご自分を客観的に見つめる事が出来るし、又、社会への貢献を自覚できて自分の犯した犯罪による劣等感、自己嫌悪感を克服できるという目的を持ったネット掲示板です。氏名、年齢、収監先施設名等の本人の特定につながる文・語言は医療機関の法定守秘義務に基づき全て伏せさせて頂きます。
 以上の事を前提にした上で、Eさんとの文通のネット公開の諾否についてのご返事を手紙にて頂きたく思いますので、その旨よろしくお願いします。文通されている方々の中には、公開は遠慮させて欲しいとの事で文通だけされている方も居りますので、率直な思いでご返事を頂いて結構ですので宜しくお願いします。
 それでは、次のお便りを楽しみにお待ちしております。返信の宛先については念の為、私の名刺を添付しておきます。
 温かい春を迎えておりますが、お身体くれぐれもど自愛下さい。
                       草々
         平成24年4月26日
          大石クリニック相談員 鈴木達也

Date: 2012/05/30/15:09:58 No.755