収監者との文通 Aさんからの手紙

収監者との文通

Aさんからの手紙

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Ａさんからの手紙

前略
　如何お過ごしでしょうか
　　　（東日本大震災への想い・・・略）
　一日も早い復興ができる様、何か力になれたらと本当に思います。

　私事になりますが、やっと○○の保護会がＯＫになりました。１年１０ヶ月ぐらい掛かりました。一応これで仮釈放が貰える立場になりました。ここを出所できる日は正確には分かりませんが、近くなったら「何日頃には出所できそうです」と連絡します。
　一つお願いしたいのですが、○○（刑務所）から○○（保護会）までの電車での行き方、運賃などを調べて欲しいのです。それと○○（保護会）から横浜までの行き方と運賃です。お手数をお掛けしますが、どうかよろしくお願いします。
　
　あと残り何日なのかは分かりませんが、残りの日数は簿記の勉強に励み、出所後の為に頑張ります。
　このまま仮釈が貰えても、満期日の○月○日が過ぎましたら横浜に戻りますので、みなとクラブの方もお願いします。何かと頼み事が多くなってしまい本当に申し訳ありません。
　６月の簿記２級には絶対に合格できる様、毎日勉強に励んでいます。今度こそ・・・と思って勉強しています。
私事ばかりになってしまいましたが、保護会が決まった報告をさせて頂きました。
本格的に暖かくなって参りました。体調を崩さず仕事の方も頑張って下さい。
また手紙を書きます。失礼します。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　草々
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成23年4月17日　　　Ａ

　↓↓返書

Date: 2011/04/25/15:05:40 No.643

Re:収監者との文通

Aさんへの返書

Ａ様
前略
　４月14日付のお便り有難うございました。

　また、どこかで手紙がすれ違ったようですね。早く電話で話が出来るようになればなあ、電話ならすれ違いようがないのに!! などと思いながら手紙を書き始めました。

　保護会が決まったそうで良かったですね。色々と手続きもあるとは思いますが仮釈までもう一息ですね。その日まで、以前Ａさん自身が仰っていたモットー：≪「Just for today」＝「一日一日、焦らず、確実に」 ≫の通りに歩みを続けて下さい。当面は日々の定められた生活と簿記２級の勉強に集中できればそれでＯＫだと思います。出所後の生活については、その時になってから考えれば良いし、またその時にならなければ分からないし、出来ない事も多いので、今の目標は簿記２級の合格と出所だけと割り切ってそれに集中して頂ければと思います。昔から「二兎を追う者は・・」とか「二足の草鞋・・」という格言が言い伝えられていますよね。先ずは当面の一点突破で行けば良いと思います。今までの文通でＡさんはそれが出来る方だと信じています。
　
　ご所望の交通アクセス・料金についてですが、ネットからプリントアウトした資料をお送りします。付録？に大石ＨＰの交通アクセスも添付しておきますが、ネット資料の冒頭に書かれている注意書きにもご注意下さい。今回の大震災による交通機関への影響はこの資料に反映されておりませんので、あくまでも参考資料としてご覧下さい。一番正確なのは、出所時に刑務所や保護会に問い合わせるのがベストだと思います。この意味でも、「先の事はその時になってから」で正解だと思います。勿論、先の事の為に①今やらねばならないし、可能な事というのもありますが、②今やらなくても先々で間に合う事もあります。大事なのは、①と②を正確に区別して、一歩一歩、着実に前進することだと思います。
　その意味で、今回の交通アクセス資料も、出所の時をイメージして気楽に楽しむ資料として目を通して頂ければ良いと思います。

　以上、今回はお便りへの簡単なご返事と、交通資料の送付のみにて失礼させて頂きます。
　
春本番とはいえ、一方で未だに続く余震や被災地の方々を思うと私も心が重くなります。でも、努力×時間＝希望の方程式に確信を持って、私も、日々・一歩一歩の道を歩み続けたいと思います。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　草々
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　平成23年4月26日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　大石クリニック相談員　鈴木達也　

Date: 2011/04/25/15:13:16 No.644