飲酒欲求を抑える薬 :アカンプロセート (キャンプラル)        

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アカンプロセート(商品名:キャンプラル)   
 今、抗酒剤とは別に、飲酒欲求そのものを抑制する薬剤物質としてのアカンプロセートが注目されています。日本では未だ認可されていませんが、欧米諸国や、お隣の韓国などで「キャンプラル」の商品名で実際に治療に投入されて一定の成果をあげているようです。
 
<★新着情報:<2013年3月9日>
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬品第1部会は本年2月7日、上記薬剤の製造・販売を承認しました。これにより日本新薬は同薬剤を「レグテクト」との商品名にて、本年5月より医療機関向けに発売します>

 以下、アカンプロセート(商品名:キャンプラル)について概観してみたいと思います。
◎:薬剤アカンプロセートは、脳内の伝達物質(飲酒欲求にスイッチを入れる物質)であるグルタミン酸によって引き起こされる脳内の過剰な欲求を緩和します。即ち、アカンプロセートが、神経細胞の受容体(スイッチによる命令を受け入れる部署)を封鎖して、伝達物質グルタミン酸分子の受容体への付着を防止することで欲求命令の伝達を防ぎます。
 アルコール依存症者の脳にはこのグルタミン酸が特に多量に見られます。(原因は不明) 全ての患者に効能が認められるわけではありませんが、アルコール依存症者の治療にアカンプロセートが投薬され、一定の成果を挙げているようです。
◎:アカンプロセート開発史
1984年:フランスのメラム社が癲癇及びアルコール依存症の治療薬として開発
1987年:同社、フランスにて同薬剤の仮認可を取得
1989年:同社、同薬剤をフランス薬剤市場に
その後 ヨーロッパ規模での認可に向けて
フランスのリファ社(メルク社の孫会社)がアカンプロセートの所有権を取得
1995年:ドイツにて「キャンプラル」として認可
1996年:リファ社、アカンプロセート含有薬剤「キャンプラル」をドイツ市場に
2004年:7月、アメリカにてアルコール依存症患者の断酒継続の為に、
      「キャンプラル」 が認可」され、治療が始まった。
◎:副作用=下痢、鼓腸(放屁)、嘔吐、痒み、発疹 :依存性は認められない
                (,◎部分参考資料=Wikipedia・独語版)
現在、日本では[日本新薬]で研究が進められており、また久里浜アルコール症センターにて治験中で、数年後に認可か?といったところです。服用に際しては自助グループや精神療法との併用が効果的で望ましいとされています。アルコール依存症者の断酒の補助薬として、第2の抗酒剤の役割を期待したいと思います。 
            
以上、2009年12月2日