収監者との文通 Bさんからの手紙

NO IMAGE

収監者との文通

Bさんからの手紙

大石クリニックHPトップページ
及び 当掲示板No.555 以降Bさんとの文通参照

前略
 返事が遅くなり、申し訳ありません。
依存症自助グループの話を読ませて頂き、ためになるのだと思いました。今は未だ刑務所での更生教育は受けていません。なので、鈴木さんとの文通、Dさんとの文通で考え、学び、更生し依存症を治すことが出来ると思っています。
 決して簡単な事ではありませんが、一歩一歩進んで行き、文通を通じて、今は色々な方の話を聞かせて頂き、又、自分の体験談を話し、同じように依存症で悩んでいる人と、更生に進んで行ければと思います。

 まだ寒い日が続きますが、身体に気をつけて下さい。
                       草々
   B

 ↓返書 

Date: 2012/02/29/22:29:54 No.729

Re:収監者との文通

Bさんへの返書

B 様
前略
 お手紙、ありがとうございます。地球温暖化の時代と言われながらも、今年の冬は20数年振りの寒さとか !! お元気でお過ごしでしょうか?
 
 前回の手紙で書いた依存症自助グループの話、ご理解頂けたようで嬉しく思います。今日は、前回の話に加えて、自助グループの有効性を語るある文面をご紹介しましょう。横浜の断酒会(=AAと並ぶもう一つのアルコール依存症自助グループ)の機関誌に寄せられたある依存症専門病院の院長先生の寄稿文の一節です。
 「・・自助グループはアルコール依存症に効きます。我々医者の処方する薬より効きます。効果が確かだから長年にわたって存在し、社会に認められているのです。20年以上前に私自身も地域の断酒会やAAに参加させてもらい、この眼で確かめて、『これは本物だ』と確信しました・・」と書かれています。他にも、自助グループの有効性についての証人は世の中にそれこそ五万といるのですが、その五万人分?を一通の手紙ではご紹介しきれないので、今日のところはこの院長先生の寄稿文のみに留めておきます。
 しかし、Bさんの場合は服役中という事情で、当分の間は性依存症の自助グループへの参加や専門病院への通院はできませんので、この文通を通して同病の仲間との心の触れ合いを続けて、出所後の再スタートへの土台固めをして頂ければと思います。
 そういう仲間の一人で、手紙でご紹介したDさんは、2月28日に出所しました。近々に大石クリニックに来院されて初診を受けられるそうですので、今回頂いたBさんのお手紙(=掲示板「あおいくまの部屋」に載せたBさんの手紙)もDさんに紹介し、刑務所内で頑張りながら大石と文通しているBさんの話もしたいと思っています。それは、Bさんと同じ性依存症による犯罪で服役して出所したDさんの心をも大きく励ますことでしょう。

 お手紙の文面で「決して簡単な事ではありませんが、一歩一歩進んで・・」と更生への決意を述べられていますが、上記の院長先生も述べられているように、「仲間」という医者の「薬」よりもよく効く薬がある事に勇気と希望、そして確信を持って、先ずは出所までの道程を仲間と共に、つまり手紙・文通と共に、一歩一歩と歩み続けて頂きたく思います。

 三月・弥生の月を迎え、春はもう間近いと思いますが、もう暫く寒い日が続くと思います。悪い風邪などひかぬよう、お身体をくれぐれも御自愛下さい。またのお便りを楽しみにしております。

         平成24年3月1日
          大石クリニック相談員 鈴木達也

Date: 2012/02/29/22:58:05 No.730