収監者との文通 Kさんからの手紙
収監者との文通
Kさんからの手紙
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及び、当掲示板 No.555 参照
「暑中お見舞い申し上げます」
中は中で蒸すように暑いのですが、外は又照りつける陽射しも有るので、熱中症などにはお気をつけ下さい。
前略、ごめんください。
ご返事ありがとうございます。あのような事を言っていただき、話をして良かったと思います。
今まで話が出来る人もなく、我慢をすればするだけ薬への欲求は大きくなるばかりでした。仕事をしている時は忘れていられるのですが、余暇時間が長くなればなる程耐えがたいものでした。こうして話をするだけでも薬の事は頭から流せるような気がします。
先生、出所後はクリニックに通うつもりでいるんですが、保護会なんてのは近くにあるんでしょうか? 有れば、とりあえずはそこからクリニックに足を運び、自分の生活環境を変える事から始めようと考えます。又、刑務所の中では日常茶版に薬の話が出ますが、そのような話に心が折れない為にも宜しくお願い致します。
暑さはまだまだ続くと思うのでくれぐれもご注意下さい。医者が熱中症になったなんて話になると大変ですよ(笑) 弁護士の先生にも機会があれば、くれぐれもとお伝え下さい。
草々
くもった蒸し暑い☁8日記 K
Date: 2011/08/12/15:11:11 No.684
Re:収監者との文通
Kさんへの返書
K 様
前略
8月8日付のお手紙、拝読しました。ありがとうございます。
さて、お手紙の中で『・・今まで話が出来る人もなく、我慢をすればするだけ欲求は大きくなるばかりでした』と書かれています。その状況、よく分かります。依存症という病気の為せる業ですから。例えて言えば、癌患者が一人でどんなに痛みを我慢しても痛みが消えないのと同じ事です。癌細胞が体内で勝手に暴れているのと同様に、依存症患者の脳内で欲求ホルモンが勝手に暴れているわけです。
ではどうすれば?・・・癌に専門治療が必要なように、依存症という病気にも依存症の専門治療が必要なわけです。その治療のヒントをKさん自身が既につかんでおられるように思います。やはりお手紙の中で、『仕事をしている時は欲求を忘れていられるのですが、余暇時間が長くなればなる程耐え難いものでした。こうして話をするだけでも薬の事を頭から流せるような気がするのです』と書かれています。これもよく分かります。その通りだと思います。だとすれば、余暇の時間に治療の場に身を置き、すなわち、主治医のカウンセリングや同病の治療仲間との交流の場に身を置き、仲間の断薬継続を目のあたりにする中で、自分も続けられると思いませんか? それだけに司法施設の中にいる間はこの文通を大切にしながら、釈放・出所後まで通院治療への希望を持ち続けて頂ければと思います。
お手紙の中で『刑務所の中では日常茶飯に薬の話が出ますが、そのような話に心が折れないようにする為にも・・・』と書かれていますが、その為にもこの文通を続けて頂ければと思います。
最後に、近くに保護会が有るか?との件ですが、港南区に保護会関連の寮があるようです。そこなら大石クリニックに十分通院可能ですが、その他も含めて具体的な話は今後調べてみたいと思います。
しばらく猛暑の中休みがあったようですが、また暑さがぶり返しそうな感がしています。お身体には重々気をつけてお過ごし下さい。又のお便りを楽しみにお待ちしております。
草々
平成23年8月12日
大石クリニック相談員 鈴木達也
Date: 2011/08/12/15:25:27 No.685
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