収監者との文通 Aさんからの手紙
収監者との文通
Aさんからの手紙
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および、当掲示板 No.555~参照
前略
先日はまた手紙の行き違いになってしまったみたいで申し訳ありません。
(注:鈴木より。前回の文通との間に電話に関する事 務的往復文通がありましたが、当掲示板には掲載しませんでした)
ここでは手紙の発信日が決まっていて、なかなか思うように行かないのです。今回の電話の件みたいに、すぐに連絡をしたいのに発信日まで待たないといけないのは何ともはがゆい事です。
鈴木さんの方も、何とか8月16日(火)AM 11:00~11;30の間で都合がつきそうで良かったです。何だか今から緊張しています。うまく話せるか心配ですし・・・でも、私も楽しみです。
本当に今回の事は感謝しても感謝し切れません。私も、今度こそ大丈夫という自信も少しは持てる様になりました。それも鈴木さんを含め、大石クリニックの皆様方のお陰だと思っております。本当にありがとうございます。これからも、どうかよろしくお願い致します。
スーモマガジンの件、ありがとうございます。いつかは、新築マンション、一軒屋と思っておりますが叶うかどうか・・・不安ですが、一歩ずつ前に前に進もうと思います。
思い返せば、バカラを覚えなければ刑務所に来る事も無かっただろうし、マンションもきっと購入出来ていたと思います。今まで使った金額を考えると何軒の家を建てられたか分かりません。盗んだお金をと皆目見当がつきません。被害者の方には本当に申し訳ない気持ちで一杯です。何とか、少しずつでも弁済をと思っています。
手紙に書いてありましたフラッシュカードですが、是非実践しようと思います。家の中では、常に目につく所に貼り、外では携帯などに記録しておこうと思います。あと動画を編集してサブリミナル効果を得るのも良いかななんて考えています。
でも、忘れてならないのは、「今日一日!」を、「Just for today!」を忘れず、何かあったらフラッシュカードをと、この思いを思い出して、その日を乗り越えようと思います。
Dさんへの返信、読ませて頂きました。
私もバカラをやっている時は興奮を覚えました。特にカードを絞っている時の興奮は何とも言えません。賭けている金額が多ければ多い程、興奮は大きくなります。その興奮が人によって異なるだけで、皆、何かしらの興奮材料を持っていると思います。私も正直、痴漢や盗撮でも興奮すると思いますが、私はバカラの方が大きく、痴漢をする勇気も、機会も無かっただけだと思います。盗撮もできないだけで、エロ本やAVは好きです。
私もDさんも、お互い、この興奮をどう抑えて行くのかが最大の問題です。私は大石クリニックを通して、今後の自分の歩む目標が見えました。Dさんもきっと気付くことと思います。そして実践して行くのですが、恐らくこれが一番難しいと思います。でも自分の歩むべき道が見えただけでも大きな前進だと思うのです。その小さな積み重ねが大切なのではないでしょうか。
Dさんも刑務所に居るということは、逮捕も初めてではないと思います。1回目の逮捕、二度目の逮捕と経験したと思いますが、その時には自分の歩む道が見えなかったのではないでしょうか。
私は恥ずかしい話ですが、5回目の受刑生活で気付きました。今までは一人でバカラを止められなかったのですが、大石クリニックと知り合えたことで気付く事がたくさんありました。とは言え、私も外に出て実際に生活をしていないので大きなことは言えないのですが、、まず、今までと同じ生活をしていては病気の克服は難しいと思うのです。私はやっとそれに気付き大石クリニックと文通を始めました。Dさんも大石クリニックと文通を始めたのですから、きっと大丈夫だと思います。今後は、お互いに刑務所に戻るのだけは止めましょう。
Dさんにこの思いを伝えて頂けたらと思います。
こうやって、他の人に向けて書くというのは、自分の思いを再確認できて良いですね。それに私自身、がんばるぞー!という強い気持ちが持てます。Dさんもそうなって欲しいです。
手紙にありました。「狂い」「ストレス」には十分注意して生活して行きます。焦らず、コツコツと歩んで行きます。
今年は昨年と比べると本当に涼しく、過ごし易いです。昨年は、工場内は40度をずっと越えていましたが、今年は33度ぐらいで本当に過ごし易いです。まだ8月がありますが、この調子で日にちも進んで欲しいです。
しかし、きっと暑い日が来ると思いますので、どうか温度の差に負けない様にして下さい。では失礼します。
草々
平成23年7月31日 A
追伸
電話、本当に緊張します。時間も15分しかないので、何を話せば良いのか・・・。でも繋がれば、何とかなるものと思っています。
本当に色々とありがとうございます。
これからも、どうかよろしくお願いします。
Date: 2011/08/12/13:18:19 No.683
Re:収監者との文通
Aさんへの返書
A様
前略
7月31日付のお手紙、拝読しました。ありがとうございます。
出所を間近にして、しっかりした心構えをされているようで大変心強く読ませて頂きました。塀の外は色々と誘惑の多い世界ですが、今の思いをしっかり胸に抱いて、刑務所に最後の別れの挨拶を告げて頂ければと思います。
16日の電話、私も楽しみにお待ちしています。ちょうど仕事の手が空く時間帯なので電話機の前に陣取って待ち構えています(笑)・・・でも、あまり緊張しなくて良いですよ。旧知の依存症仲間にかける気分で電話して下さい。私も元はと言えば大石クリニックのアルコール依存症患者ですから。今は大石のリカバリースタッフとして相談員の仕事をしていますが、万一にもスリップしてズルズルーと飲み続けたら又々元の酒地獄に逆戻りすると言う意味では病気は治っておらず、その意味では今でも患者なんです。○○依存症と言う病気は、断○○で回復すれども完治は不可能な病気なんですね。少なくとも現代医学では完治不能で、完治薬を作ったらノーベル賞物と言われています。それだけに、一日一日の断○○による一日一日の回復を維持し、それを生涯続けることで結果としては完治と同じ生涯を目指したいものです。
話がちょっとそれましたが、大石への電話は、代表)045-262-0014にお願いします。この電話機の前で待っています。但し、万一話し中で長引くようでしたら、
045-262-2741の電話の方に移動してお待ちしています。
お手紙の中で、バカラで使ったお金について書かれています。「・・今までに使った金額を考えると、何軒家が建つのか分かりません」と。この思考法は断バカラの治療に向けて有効な力を持っているようです。以前ご紹介した「内観療法」ではこの思考を一日中続けるプログラムもあるようです。例えばギャンブルの場合、失った金額というのは負けて失った損金だけではありません。ギャンブルの為に行った借金の利息、ギャンブルを原因とする失業で次の就業までに失った賃金、(失業は犯罪による収監とも言い換えられます)・・・等々の総合計を計算して過去の自分を内観することでギャンブルへの強い抑止力が生まれると言います。これをフラッシュカードにして携帯に収録しておくというのも良いかも知れませんね。いわば、内観療法と認知行動療法の二刀流作戦とも言うべきでしょうか。
お手紙の中で、Dさんへの想いを綴られ、この想いをDさんへ伝えて欲しいとの由、了解しました。同封の、Aさんからの手紙の公開掲示板コピーの「 」内の部分、即ちAさんの文面その物をDさんに送らせて頂きたいと思います。
Dさんも以前のAさん同様、出所後に向けて受刑期間中が大事と認識され、その為の何かを今模索中の方ですので、Aさんからの語りかけも大きな力となることでしょう。
まだ、色々書きたい事もあるのですが、残りは電話にとっておくことにして、今日はこの辺で失礼します。
草々
平成23年8月6日
大石クリニック相談員 鈴木達也
Date: 2011/08/13/16:26:40 No.686
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