収監者の文通 Nさんとの文通

収監者の文通

Nさんとの文通

当掲示板 投稿No.555 557 559 参照

◎Ｎさんからの手紙
　
　前略

　　明けまして おめでとうございます。

　私は今、・・拘置支所で炊場として毎日働いています。
　炊場の人数は私を含めて9名いますが、みんな私の犯した罪の事は知っています。
刑務所からここに来た翌日に私の口から一緒に炊場として働く人達に言ったからです。
　でも知ってもらって正解だったと思います。なぜなら、仕事の休み時間に私の話になり「どうして？盗撮、痴漢なんてしちゃったの？」と
聞いてくる人もいれば、「今のままだと、また絶対に同じ事を繰り返すよ !! 」とか、
「刑務所を出所後、同じ過ちを犯さないように何か真剣に考えた方が良い !! 」と言ってくれる人達が居ます。
　年も明け出所まで約4ヶ月間、ここで炊場として働きながら、今回私が犯した罪を深く反省し、出所後の新生活をじっくり考えながら過ごしたいと思います。
草々

Date: 2011/01/08/15:57:14 No.610

Re:Ｎさんとの文通

鈴木達也

◎Ｎさんへの返書

Ｎ　様
　明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

お便りありがとうございます。炊場では良い仲間に恵まれて良かったですね。罪名を打ち明けられた勇気の裏にある、
しっかり反省し更生したいとの思いが周囲に伝わったのだと思います。
お手紙に書かれていた仲間の声はＮさんへの応援の声のように思われます。
そんなＮさんの人柄は、治療の場＝同病の仲間とのミーテイングの場でも自分と仲間の治療に大きな力となることでしょう。
以前のお手紙で「・・院内ミーテイングに参加して、私と同病で悩んでいる方、苦しんでいる方との交流で何か糸口が見つかれば良い」と
書かれていましたが、Ｎさんは拘置所の炊場という場所で既に院内ミーテイングの準備をされているし、それが出来ているように思えて、
ちょっと驚いてもいます。依存症者のミーテイング会場では、同病の仲間が集うが故に他の場所では話し難い自分の過去も比較的抵抗なく話せるし、
それによって仲間との絆もでき、太くなり、それが治療の効果に繋がっています。
しかしＮさんの場合にはミーテイング会場ではなく拘置所という場所で自分の過去、犯した罪の罪名を告白されました。
その勇気はミーテイングの効果を倍増させることでしょう。
そんなミーテイングの輪の中に入れる日を楽しみに、今は今の炊場の仲間との絆を大切にして一日一日の歩みを続けて欲しいと思います。
寒い日が続いていますので、体には十分気をつけて毎日のお仕事にお励み下さい。今日はこの辺で失礼します。

　　　　　　　　　　　平成23年1月9日
　　　　　　　　　　　　　大石クリニック
　　　　　　　　　　　　　　　　相談員 鈴木達也

追伸
　前回同様、当院ＨＰでの公開画面を同封します。自分の手紙を他人の目で客観的に読めると思います。

Date: 2011/01/08/16:04:00 No.611