Aさんからの手紙(8月2日付け)

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Aさんからの手紙(8月2日付け)

管理人
 Aさんは、ギャンブル関連の犯罪により現在刑務所に服役中の方ですが、ギャンブル依存症の治療と回復を切実に願い、その治療の一環として当院との文通を続けておられる方です。
 詳細は、当掲示板・P13/投稿No183をご参照下さい
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[Aさんからの手紙] <8月2日付>

前略
 お手紙の返事が遅くなり、申し訳ありません。過去の手紙を何度も読み返し色々と考えていました。
 どうすればバカラを止めれるのか、また、本当に止めれるのか、などなど。考えれば考える程、悩みます。
 それは、今の状況でも、出所したらバカラに行きたいと思っている自分と、絶対に行ったら駄目だ! 行ったら最後、また刑務所に来るぞ! と思う自分がいます。
 こういう心理は、他の依存症の人もそう思うのでしょうか、それとも自分が特別なのでしょうか。そう思うと不安で仕方ありません。
 鈴木さんからの手紙にあった様に、依存症の仲間からの体験談を聞き「俺だけではない」と思えれば本当に勇気づけられると思います。
 そして「彼が止めているなら俺だって止められる」という思いは、私も非常にそう思います。今までの私には、そう思える環境は無かったです。一緒に止めようと思った人もいなかったですし・・・。
今の私の希望は、大石クリニックに通い他の人達と同じ思いを持って治療出来るのではないかと思える事です。
 他の人達はどうしてバカラに嵌まってしまったのか、またギャンブルに嵌まってしまったのか、そういう事にも興味があります。
 興味という言葉は不適切かも知れませんが、人それぞれギャンブルに嵌まった理由は違うと思うのです。もし自分と同じような理由で嵌まったのならば共感出来ると思うのです。そして一緒に頑張れると思うのです。甘いと言う人もいると思いますが、一人では今まで無理だったので、共感できる人と一緒なら何でも出来ると思うのです。
 私が初めてバカラに行ったのは21歳の頃でした。当時からパチンコ、スロットなどやっていました。仕事もせず、毎日パチンコばかりの生活でした。が、当時は儲かっていたのです。そして一時麻雀に嵌まり、雀荘での仕事のを始めました。そこの常連のお客さんに誘われてバカラに行きました。その時の軍資金は連れて行ってくれたお客さんが出してくれました。その時はバカラのルールも分からなかったのですが、どちらが勝つかが面白いように当たりチップも増え勝ちました。
 その後、何回かはそのお客さんに連れて行ってもらいました。
 その頃はまだ一人でお店に行くということはありませんでした。一人で行くには勇気がなかったのか、若しくは敷居が高かったのかも知れません。しかし何度か連れて行ってもらい、お店にも慣れてきて一人で行くようになりました。
 その頃から既にバカラに嵌まってしまっていたと思います。この世にこんなに面白いゲームがあったのかと思いました。
 バカラのルールは凄いシンプルで、当たれば賭けた金額の倍が戻って来る。そして、一日で、又は数十分で毎月の給料以上の金額が稼げてしまうのです。
 倍率で言えば競馬などの方が高いかも知れませんが、ゲームに参加しているという感覚は競馬などでは得られないと思います。 
 自分が配られたカードを絞り、自分が絞ったから勝ったという何ともいえないあの思い。そして稼げる。勝つ金額の多さ。嵌まってしまう要素が沢山ありました。
 そうして、バカラをやっていないと落ち着かない、早くバカラに行きたいと思うようになり、何をするにもバカラが優先の生活になりました。
 そしてバカラに行き、カードを絞る。絞らないとつまらないので賭ける金額もどんどん多くなり、勝つ金額も多くなりますが、負ける金額も多くなって行き、どんどん嵌まって行きました。そして何度も書いたように、今の生活をするようになってしまいました。
 自分がバカラに嵌まって行った理由はこんな感じです。同じ様な理由で嵌まった人はいるのでしょうか。また他にはどんな理由があるのでしょうか。本当に気になります。
 この様に過去の事を考えた事はあまりなかったので、自分自身も手紙を書く事により、気づかなかった事に気づき、色々と勉強になります。
 本当にこの様な機会を与えて下さり感謝しています。また手紙を書きたいと思います。いつも本当にありがとうございます。
 鈴木さんも、スタッフの皆様も仕事大変だとおもいますが、どうか頑張って下さい。
 失礼します。
                 草々
追伸
 バカラをやりたいと思う自分もいますが、絶対に止めて、普通の生活に戻りたいのです。

 また、私の手紙で依存症に苦しむ人々の為に役立てば幸いです。
 なので、いつものようにして貰って構いません。私の方は何ら問題が無いので、この後も手紙を書くと思いますが、自由に使って貰って一向に構いませんので。
 どうかよろしくお願いします。

   いつも誤字など多くすいません。
 

Date: 2009/08/06/11:25:22 No.334